2007/12/14

NEAAC Meetingの報告

東京中会青年部修養会の2日後の11月26日から3日間、日本、韓国、台湾の3地域の改革教会が一同に会して、世界改革教会連盟(WARC)の5つの地域協議会のひとつである東北アジア協議会(NEAAC)の第7回総会、および第10回神学協議会が開催されました。(会場は千代田区猿楽町の在日本韓国YMCA

神学協議会の主題は昨年に引続き、“Fullness of Life and Pease in the Diversified Societies of Northeast Asia”でした。“the Accra Confession”に照らして、私たちはどのような取組みをすべきか、できるのか、についてそれぞれの教会の視点から発題され、協議されました。聖書のみことばに聞き、地域の平和や、環境や経済格差の問題にどう取組むかなど、意外と身近で基礎的なテーマについて取上げられていたことが印象的です。私達ひとりひとりが意識し、共に考え行動してゆくべき小さくて大きなテーマですから、その発題内容についても、了解が得られればこのブログ上でお伝えしてゆきたいと思います。そして、議論の中でさかんに“Context”という言葉が使われていたことも印象的でした。大切なのはあくまでも自分の(自分自身の/自分の教会の/自分の教派の/自分の国の/東北アジアの/世界の)“Context”に照らして考えることなんですね。「グローバルに考え、ローカルに行動する」というフレーズも最近よく聞かれますよね。「世界のこと」を自分とは関係のない遠くのことだと決めつけずに、まず足元から考える。案外簡単なようですが、そのためには自分自身のアイデンティティを明確にすることも必要です。あなたが日本キリスト教会の一員であることにはどういう意味があるのですか? あなたはどういう立場に置かれていて、何ができるのですか?と問われています。

※WARC(世界改革教会連盟):去年、一昨年と、東京中会青年部修養会でWARCの取組みと、ガーナ・アクラでの総会の様子について菊地純子先生がご紹介くださいましたので、ご存知の方も多いはず。2007年の日キの大会では冒頭に菊地先生から報告もありましたね。現在REC(もう一つの改革教会の世界組織)との合同が計画されており、今後ますます近隣教会、近隣諸国との交わりが広がっていくことが考えられます。青年同士の輪も広げていけるよう、どうぞ祈りのうちに覚えて下さい。ご存じない方、あらためて詳しく知りたい方は「改革連盟の窓」(日キHP内)をご覧下さい。
※The Accra Confession(アクラ総会で決定したこと):2004年にガーナ・アクラで行われたWARC総会では“To covenant for justice in the economy and the earth”(経済上、地球上の義への誓約)を含め7項目が決議されています。特に経済大国日本にありながら、貧弱な日本の諸教会は、この経済格差の問題にどう関わっていくことができるのでしょうか。実際的にも、神学的にも、とても難しい問題であると思います。…でも、ぜひ皆さんもこれを自分の問題に置き換えて、“足元から”考えてみてください!

さて、今年は私も日本キリスト教会からの正式な青年の代表として参加させていただきました。今回で3回目の参加になります。英語の能力はあまり…ですが、だんだんと会の雰囲気にも慣れ、自分に求められている何かが理解できるようになってきました。
今回参加できてよかったのは、各国の代表の方々、特に青年との交流を十分に持つことができたことでした。韓国・台湾からそれぞれ2人参加してくださいましたが、どなたも数万人規模の全国青年会を束ねる議長クラスの実力者です。(…と言うほど堅苦しいわけではなく、同じ青年なのですが、)規模はもちろん、教派の中での青年の位置づけも日本とは全く異なることを感じさせられました。彼らは明確に教派の青年を代表する立場から議論に参加していましたし、Church Report(教派の歴史から現在の活動状況や課題点まで、詳細な報告)のプレゼンはどの教派も彼らが担っていました。明確に役割と責任を与えられていました。一方、開催国の日本からの青年の参加者は、部分的に手伝いに来てくださった神学生や若い牧師・伝道師を除けば、全日参加はたったひとり、私だけという非常に残念な状況でした。日本キリスト教会の大会や中会においては青年はどこにも位置づけられていませんし、もしかしたら若さも感じられません。もちろん青年の側もそのための努力を払ってきたわけではなく、ただ教会にぶら下がってきただけという側面もあるのですが…。今後じっくり反省し、この関係を構築し直していかなければなりません。
キリスト教の規模からして違う彼らと自分たちとを単純に比較することは当然ナンセンスではあるのですが、それでも同じ議論の席に座る者として、背負っているものがこんなにも違うのかと感じさせられてしまったのは、とても残念なことです。どうにかしないといけないことだと思うのです。
来年のNEAACの会議では日キの青年についてReportをして、日本の実情とその中で青年の置かれている“Context”を知ってもらわなくてはなりません。そのためには、それができるだけの基盤(…つまり青年の全国規模の連絡組織をつくり、情報交換を行って実情を把握すること)なしには、日キの青年について語ることはできません。この2つが会議に参加して浮かび上がってきた、今後の日キの青年全体の目標であると思っています。
そういう指針を得られたのは、韓国・台湾の青年たちからの刺激があってのことですから、やっぱり交わりが持てたことがこの会議に参加した中での一番の収穫だったと思います。来年は韓国で開催されますが、日本からの青年の参加者が少しでも多く与えられ、青年の今後について、各国の青年らと共に議論を交わすことができることを祈り願いたいと思います。

浦和教会のクリスマス

浦和教会から、クリスマス礼拝のご案内をいただきました。
日曜日夕方からの「讃美の夕べ」では、毎年好評の青年会による劇も行われるそうです。お近くにお住まいの方はぜひ足をお運びください。 まずはご案内チラシをご覧下さい↓↓

クリスマス礼拝
 12月23日(日)10:30~
 説教「クリスマスのしるし」 (ルカによる福音書2:1-14)
讃美の夕べ
 12月23日(日)17:30~
 説教「神に栄光、人に平和」 (ルカによる福音書2:8-20)
 青年会劇「Footprints2007」 あなたの足跡―ふり返ってみませんか?
 ご案内チラシ(PDF) 
こどもクリスマス会
 12月24日(月)13:00~
 日曜学校教師劇「ビロードうさぎ」
クリスマス・イヴ礼拝
 12月24日(月)17:30~
 説教「神はこの世を愛された」 (ヨハネによる福音書3:16-21)

この情報を送ってくださった松谷さんのHPもどうぞ。とても勉強になる「日記」は必見です!

2007/12/02

アドヴェントに入りました!

教会暦では新しい年を迎えました。おめでとうございます!主の降誕を待ち望みましょう。

みなさんの教会では今年のクリスマスはどんな催しを行われますでしょうか。お互いの礼拝に出席することはできなくても、どのようなことが各教会で行われているのかを知ることは大切なことだと思います。ぜひ教えてください!このブログに掲載していきたいと思います。

ちなみに、豊島北教会ではこのように予定しています。どうぞ祈りのうちにお覚え下さい。
クリスマス礼拝
 日時 23日(日)午前10時30分
 説教 「さあ、ベツレヘムへ」-天使が告げた出来事-
クリスマス讃美礼拝
 日時 24日(月・休)午後7時~8時
 メッセージ 「その星を見て」-ヘロデのところに帰るな-

修養会アンケートの報告

2007年度の東京中会青年部修養会において参加者のみなさまにお願いしたアンケートの結果です。簡単に(といっても長いですが)ご紹介いたします。今後、私たちの信仰の学びをどのように継続していけばよいのか、考える際の足がかりにしていただければ幸いです。(凡例:◆回答例、⇒一言コメント)

Q1.主題について
(1)今回の主題は『ハイデルベルク教理問答』を学ぶことでしたが、いかがでしたか。
◆なかなか「学ぼう」と考えても最後までたどりつくことのなかったハイデルベルクだったので、とても貴重な学びの場となりました。
◆教理に立ち帰って学ぶことができ、よかったです。各教会でもこの学びができればと思います。
◆信仰の全体像、骨格を知ることが出来、有意義でした。
◆前回は信仰生活の指針の面、今回はその内容について学ぶことができた。いいつながり方だと思う。

⇒2日間という限られた時間の中では、詳細なことまで踏込んで学ぶことはできませんでしたが、それでも教理問答の全体像をつかむことができ、今後の信仰生活にとってとてもいい刺激になりました。感謝です。前回の主題(「現代・生きる・キリスト者」)からの連続性についても好印象をもっていただけたようです。

(2)講演はいかがでしたか。
◆1部~3部まで、自分の信仰生活について考えさせられることを指摘していただきました。先生のおっしゃる通り、この学びをスタートとし、これからも学び続けたいです。
◆コリント1・13章の「愛」の話や、洗礼についての話は、驚きもあり、興味深く聞きました。
◆丁寧に心をこめて語って下さり、ありがとうございました。最後にⅠコリント13を示され、みことばに向き合うことが一番大切なことだと、あたらめて思いました。

⇒池永先生は膨大な範囲を、ポイントごとに解説してくださいました。それぞれの参加者が何らかの課題を示されたようです。池永先生、どうもありがとうございました。

(3)音読や発題などの新しい試みはいかがでしたか。
◆音読することによって、問答を大変深く味わうことができたと思います。発題によって学びにふくらみができて良かったのではないでしょうか。
◆音読、発題は、参加者が受け身でなく、積極的に修養会に参加し、応答するという意味で、良かったと思います。
◆通読するということは、なかなかできないので、通して読めたことはよかった。これから一つ一つ聖書にてらしていきたい。ふだんあまり接することのできない方の話をきけて良かった。

⇒129問すべてを全員で音読するという大胆な提案でしたが、好感をもって取り組んでくださり、成し遂げることができました。ありあがとうございました。3人の参加者からの発題も、急なお願いだったにも関わらず、じっくりと準備していただき感謝です。同じ目線で語られた発題は、聞く者にとっては学んだことの整理に、そして、分団での議論の活性化など、多くの効果があったように思います。今後の修養会でも、参加者の「参加」の機会に配慮し、充実させていきたいと願います。
※発題の内容は、今後このブログに掲載していきたいと思います。ご期待ください。

(4)来年の修養会で学んでみたいことは何ですか。
◆ハイデルベルク教理問答の一部をとりあげてじっくり学びたい。
◆ウエストミンスター教理問答についてもやってみたい。
◆他に、信仰について、愛について、讃美について、など。

⇒私たちには学ぶべきことが多くあるようですし、それに「飢え」ている人も多くいるようです。今後も継続して学びの機会を設けていけたらと思いますが、今回の学びの続きを来年の修養会までのお楽しみ…にしておくのはどうでしょうか。すぐにできる学びは熱の冷めないうちに!です。近隣の青年で集って、など、工夫してコンスタントに学びを継続していきたいものです。
※讃美について学びたい、という方への参考に、先日アジア・カルヴァン学会で発表のあったジュネーブ詩編歌についての解説を、後ほど掲載いたします。どうぞご活用ください。

Q2.分団について
◆23日は同世代の素ぼくな意見交換ができてよかったです。24日は聖書と共にハイデルベルグを読むという初めての経験ができました。
◆年齢別は、話しが通じやすく、はじめてでも方向をたしかめられた。ランダムの分団は、ちょっと緊張があり、新鮮でもあった。受洗される方、求道の方とさまざまではあるが、何を求めるかと問われた。
◆両日共参加しましたが、どちらもお互いの意見を交わしあい今後の話しにまで発展することができ、良い交わりができました。

⇒初日の分団は年齢別に、2日目の分団はランダムでグループ分けをしました。どちらも時間が十分に設けられていたので、議論も十分に進めることができたようです。同年代で分ける分団は昨年から始めた試みで、概ね好評のようですが、中には、教師や神学生がいてぐいぐい引っぱっていってくれるようなスタイルの方が学べることが多くてよい。という方もいらっしゃいます。まだまだいろんな工夫をしてみる余地があるようです。

Q3.その他・全体について
◆準備された修養会で、二日間守りのうちにあることを感謝します。子供がいることはうれしく、託児をして下さった方に感謝します。
◆昨年に続き保育があり、学ぶことに集中できてとてもうれしく思いました。教会紹介でベビーラッシュという話もいくつか出ていたので、来年以降も保育を設けていただいて、広めて子育て中の多くの方々が参加できるといいです。

⇒昨年から浦和教会の婦人会の方が託児を引き受けて下さっています。感謝です。試験的に実施しておりましたが、利用された方からもそうでない方からも、このような反応があり、あらためて必要性を認識させられました。修養会が「子育て中のパパ・ママの交流」の機会としての役割も果たせますように、参加者への呼びかけと、この制度の充実とを、これからも引き続き検討していけたらと思います。

以上です。他にもこんなこと思ったよ!という方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントをお寄せください。(↓下の「コメント」から、どなたでも書き込むことができます。)

2007/11/30

神学校オープンハウスのご案内

日本キリスト教会の神学校(川越市吉田2-2)のオープンハウス(オープンキャンパス)が12月1日(土)午後2時から、学生会主催で行われます。
以下に案内を転記します。お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

アドベント礼拝へのお誘い

主の御名を讃美いたします。
秋も深まり、木々の彩りが美しい季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
神学校では、今年の授業日数も残り一ヶ月を切り、忙しくもそれぞれの課題に励んでいます。教会の祈りと献金によって、私たちの神学校での学びと生活が、支えられ励まされていますことを、心から感謝いたします。
さて、私たちは神学校が川越市に移設して以来、毎年オープンハウスを開いてきました。それは、地域の方々に神学校を認知して頂くためのものでした。そのオープンハウスを、今年は、教会の方々をお招きして、共に礼拝を捧げ、交わりを深める時としたいと考え、計画しています。
礼拝は、「みことばをうたう」のコラール1番による讃美礼拝として守ります。アドベントの時、心を静かに私たちの救い主の誕生を共に待ち望みましょう。

☆ 壮年・婦人・青年・子供たちどなたでもお越しください。
☆ 神学生一同お待ちしております。

日時 2007年12月1日(土)
    午後2時~4時(1時半開場)
場所 日本キリスト教会神学校(埼玉県川越市吉田2-2

アクセス
◎ 東武東上線池袋から急行で39分「霞ヶ関」下車、北口から徒歩15分
◎ 関越自動車道・鶴ヶ島インターチェンジから15分

≪讃美礼拝プログラム≫
前奏
招詞
祈り
讃美 ジュネーブ詩篇歌131篇
聖書 ゼカリヤ書2章14~15節
    マタイによる福音書1章18~20節
讃美 コラール1番1節
聖書 ピリピ人への手紙2章6~8節
讃美 コラール1番2節
聖書 イザヤ書53章10節
讃美 コラール1番3節
聖書 ヨハネの第一の手紙2章2節
讃美 コラール1番4節
聖書 ルカによる福音書2書1~20節
讃美 コラール1番5節
説教
聖書 コリント人への第二の手紙13章13節
讃美 コラール1番6節
    オルガンによる黙想
祈り
讃美 ジュネーブ詩篇歌47篇
主の祈り
祝祷
後奏

2007/11/29

東京中会青年部修養会2007報告

2007年11月23日(金・休)10時30分~24日(土)14時30分
講師:池永倫明先生(蒲田御園教会牧師)
会場:ネーブルパーク研修センター平成館(茨城県古河市)
主題:あなたのただ一つのなぐさめは
   ~ハイデルベルク教理問答を手掛かりに~

今年度の東京中会青年部の修養会は、ハイデルベルク教理問答の学びをテーマに、1泊2日のプログラムで行われました。参加者は計56名でした。
講師の池永先生は、教理問答を学ぶ目的は「この世にあってキリストを主とする群であることを自覚し、また、それを次世代に継承すること」であると初めに述べられ、人間の悲惨、救い、そして感謝について様々な角度から丁寧に解説されました。教理問答が、宗教改革の時代に当時の乱れた信仰を「一つにする」ために用いられたように、現代においてもなお、私たちが依って立つべき重要な信仰の道しるべであることを実感させられました。
また、今回はハイデルベルク教理問答を参加者全員で声に出して通読するという大胆な試みや、青年からの発題を行うなど、参加者が主体的に「参加」する修養会として記憶に残るものとなりました。

2007/11/23

「ハイデルベルク教理問答」の歴史

「修養会へのご案内」に掲載したハイデルの歴史を転載します。 宗教改革の歴史の中でも私たちの信仰に関わりの深い、重要な1ページです。ぜひご一読ください。

ハイデルベルクはドイツ南部のライン河の支流ネッカー川沿いに位置する都市です。かつては神聖ローマ帝国で最も有力で豊かな、プファルツの首都でした。1386年にドイツで最初の大学であるハイデルベルク大学が創設され、ヨーロッパの文化と学問の中心都市になりました。
16世紀になるとそのハイデルベルクにも宗教改革の波が押し寄せてきます。当時のプファルツ選帝侯(ライン宮中伯とも呼ばれます)はカルヴァン派の信仰を支持し、みことばに堅く立つ教会を築こうとしました。また、この地方はローマ・カトリックの弾圧からの亡命者たちの受け皿になり、様々な立場のプロテスタント信徒が混在する都市となりました。しかし、やがてカルヴァン派とルター派との間での聖餐理解をめぐる不一致が問題として浮上します。その結果、聖餐式の最中に乱闘が起こるまでの危機的状況に直面することになりました。
そのような状況の中、「敬虔王」として知られた選帝侯フリードリッヒ3世(在位1559年~1576年)は、改革教会の精神が生かされ、より明確に聖書に基づいた教理問答の必要性を認識しました。その作成は複数の人に委託され、特にハイデルベルク大学教授ウルジヌスと聖霊教会牧師オレヴィアヌスが中心となり、1562年にハイデルベルクで開催された宗教会議に提出され、翌1563年にドイツ語で第1版が出版されました。出版後には瞬く間にヨーロッパ中の言語に翻訳されました。
この非常に聖書的に作られている教理問答は、129問の問答から成り、52主日に区分されています。「生きるにも、死ぬにも、あなたのただ一つのなぐさめは何ですか」という有名な問からはじまり、問2では、私たちが知るべき3つのこと(悲惨、救い、感謝)が示され、続く第1部(問3~11)では悲惨について、第2部(問12~85)では救いについて、第3部(問86~129)では感謝について述べられています。
日本でも多くの教会で、洗礼・信仰告白の準備や、祈祷会・青年会のテキストとして用いられています。すでにそういう経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。今回の修養会は、その「教理問答」に学び、宗教改革期の信仰者たちと同じように、激動する世界と歴史のただ中で今一度、私たちが依って立つべき信仰を省み、「聖書のみことばに堅く立つ」学びの時としたいと思います。